分祀賛成派の意見
A級戦犯合祀問題を解消するため、A級戦犯のみを分祀するという案が挙げられることがあるが、祭神の宗教的位置づけや、靖国神社には戦没者の霊魂を取り扱う「位牌(物質的象徴)」がなく、分祀の対象(実物としての位牌)が存在しないため、そもそも分ける事ができないといった理由から、靖国神社が分祀を受け入れることはないと考えられている。しかし、それは分祀したくないものたちが、本来A級戦犯を廃祀したうえで別に祭ればよいという意味で分祀できるとする分祀意見を字面だけを曲解したものでしかないうえに、遺品や遺骨は存在しないが名簿は存在しており、分祀とは「祀る対象から外す」ことであり可能だという意見もある。事実過去に徳川幕府による豊国大明神廃祀など多くの神社において政治的廃祀は実行されてきた。豊臣秀吉は豊国大明神の号を与えられ日本国中の主要な神社に合祀されたが徳川幕府によって尽く廃祀されている。すなわち個別廃祀は可能である。
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分祀反対派の意見
神道の原理原則において、祭神として一つに纏められて祀られた神は、一つの統合された抽象的な神と見なされる。遺品や遺骨が祀られているわけでもない。よって祭神の切り分けは不可能である。いわゆる分祀とは、全国に同じ名前を冠する神社があちらこちらにあるように、ある神社から勧請されて同じ神霊をお分けする事をいう。つまり元の祭神と同一のものがまた別に出来上がる。靖国神社の場合も同一であり、分祀をすればA級戦犯も混じった祭神が、同様にまた別に出来上がる事になる。
さらには、韓国政府が主張したように、A級戦犯を例え外す事が出来たとしても、それでも政治問題化が続くのであれば、それは日本の総理大臣や天皇陛下が参拝、親拝する事に対する障害であり続ける点では変わらず、問題の解決にはならない[20]。さらに言えば、そもそも靖国神社は一宗教法人であり、そこに国家が介入して祭神の分祀を迫るのは単なる宗教弾圧でしかない。